アラブ系王子×純和風御曹司のファンタジー

ネタバレ

2024年2月29日

このレビューはネタバレを含みます▼ 華道の次期家元•仙波沙羅は､事実上の後継者としてのお披露目である大いけばな展を前にしてプレッシャーと己の不甲斐なさとに苦しんでいます｡そんな時､部屋の姿見から見知らぬ国の宮廷に抜け出してしまい､呆然としていると美しい青年が現れます｡沙羅が｢アンタ誰? 俺の部屋で何してんだよ｣と言うと､青年に｢ここは自分の部屋だし､この国で当人同士が名を交わすことは求婚を意味する｣と言われてしまいます｡そして宮廷の鏡と沙羅の部屋の姿見とが抜け道になっていることがわかるのでした｡それから青年は南国の美しい花々を手折っては鏡を抜けて沙羅の元にやって来るようになります｡名を交わすことの出来ない二人はお互いを｢名無し｣｢ハア｣と呼び合い､王室に生まれた青年と家元に生まれた沙羅はお互いの境遇が酷似していることから心を通わせるようになります｡そして初めて愛し合った直後､ちょっとした行き違いから二人は彼方此方に別れたまま､鏡が砕け散ってしまうのでした｡花を愛する王子様と花を大切に活ける次期家元とのファンタジックな恋物語は､最後まで知らなかったお互いの名前にも運命が秘められています｡

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pug さん

(女性/－) 総レビュー数：189件

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