不意打ちの春雷【特典ペーパー/電子限定描き下ろし付き】
黒井つむじ
このレビューはネタバレを含みます▼
『ボクたちはまだ青く』で宇宙を夢みるDKの恋と受験、『恋しいリバイバル』で高校の陸上部の先輩への憧れを描いた作者さまの今度のDKものは、幼馴染としての時間が長過ぎて恋人としての距離感がバグってしまう二人のお話です。天然爆裂でハ鳥椿への好意がダダ漏れの梅山蓮は、椿に距離を置かれて寂しい思いをしています。小学校からずっと一緒の二人、元は椿がぽろりと「好きだ」と言った言葉に「友達を失うのは嫌だ」と蓮が返したことから二人は元通りのようで元通りでないギクシャクした関係になってしまいます。椿が自分を好きでいてくれることはもちろん嬉しいけれど、それを前提としてしまうと「相手の好意につけ込んでしまう」のだと気づいて蓮は愕然とするのでした。そこから蓮は椿をずっと見ていたい、触れたことの無いところに触れたいという自分の気持ちに気がつきます。幼馴染DKの両片想い故に距離感を掴めないモダモダは、弓道部の椿の凛々しい姿を差し挟みながら、合宿、夏祭り、文化祭とゆっくり進んでゆきます。本人達以外はみんな二人は付き合ってると思っているご馳走様でハッピーなお話です。
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