コオリオニ
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コオリオニ

梶本レイカ

稲葉さん=鬼戸=惚れる

ネタバレ
2024年3月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 綾野剛主演で映画になった、稲葉さんのノンフィクションをベースにこんな硬派なBLマンガがあったなんて。。。一気読みした。稲葉さん、Youtubeで検索したら実際の裏話が聞ける。現実が映画なんか遥かに越えてる典型。
コオリオニは根底に鬼ごっこに象徴された子供の頃の3人が現在まで繋がってて、3人の哀しさがより響く。絵も渋い劇画タッチで、硬派な物語が生きてる。
でも、実際の鬼戸のモチーフの稲葉さんは、一切の罪を被され、スケープゴートとして服役。上司は自o。醜悪極まりない警察の悪事を稲葉さんが服役後に本を上梓することで昇華させた。現実は筆舌につくしがたいほど、警察もやくざも極悪で、暴露された当時、世の中こんなモンなんだあ、ドラマの刑事なんて絵空事なんだなあ...って思った。
エンディング、おそらく梶本先生は2つ用意したんだと思う。鬼戸と翔のボートはそのまま海の藻屑になった方を、自分は受け取った。その方が2人の楽園が続く気がする。2人が生きてたって、自滅か、消される運命だったろうから。だって、人は自分のやった醜悪から目を背けては生き続けられない、と思うし。他人が許したって、自分が許せなくなると思う。
ちなみに本物の服役後の稲葉さんはホンモノのイケオジで、惚れる。服役した人の生き方の方が、人を魅了する、これも世の真理。
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