NEON
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NEON

久松エイト

東京のネオンに輝く恋とお洒落と個性

ネタバレ
2024年3月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ お洒落に鋭いセンスを持つ多田明良は、自分を異端視する田舎を捨てて憧れの東京に出ます。人もモノも美しくて大満足な東京で、多田は読モ仲間の大学生•波野彦一に地元の言葉で話しているのを聞かれてしまいます。秘密を知られた多田は焦りますが、都会育ちでおっとりした波野は、生まれながらにスポットライトを背負っているような多田を素直に眩しく思っており、全く聞き取れなかった方言は外国語だと思っていました。田舎で一人浮き上がっていたために人付き合いをしたことが無く周囲から誤解されてしまう多田を、皆と馴染めるように多田が上手に誘導します。嫌いなモノじゃなくて好きなモノを伝えることで友達は作れるんだよという波野の言葉に、多田は自分の殻を破って実践します。自分にだけ全幅の信頼をおいて懐いてくる多田に波野は恋心を覚えるようになりますが、お洒落にしか興味の無い多田は恐ろしいほど恋愛に無知なのでした。ヴィジュアルに特化された多田の、田舎での孤高に培われたピュアさが何とも愛しいです。東京という字までが真ん中で折ったらピッタリくるのが良い、というのに掴まれました。青森もピッタリくるけどなと思いつつ。優しくてカッコいい波野と孤高の美人多田との恋とエロは『ランウェイの行方を知りたいか』に続きます。『11人目のこいびとくん』には二人の結婚の記事が登場します。
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