名も知らず
」のレビュー

名も知らず

ヤナギナギ

表現の仕方が悪い

ネタバレ
2024年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 三巻までの感想。主人公はΩのくせに金をケチって薬飲まない阿呆だし、子供の父親はレイパーのくせにαらしい傲慢さ満載のクソ野郎なので読んでてまるで楽しくない。主人公は基本的に自分がΩであると知りながらヒート時に薬も持たずに外を出歩くなんて襲ってくださいと言っているようなものだし、オメガバースの世界ではΩは差別対象なんだから作中の周囲の目もその世界では「普通」。実際に主人公はレ〇プされたにも関わらず被害届を提出しておらず、鈴が自分の子供だと判ったαもΩに一切謝罪等をしていない点からも、オメガバースの世界ではこの件を「Ω如きがフェロモンでαを誘惑し、可哀そうなαはそれに抗えず誘いに乗ってしまった」と捉えていると思う。
でもそれを読者に伝える意思がこの作品からは読み取れない。寧ろ隠されているというか、読んでいてあたかもこちらの(オメガバースではない)世界での出来事かのように描写されている箇所が主に主人公の心理や行動から感じ取れるのでちょっと悪意を感じる。なんか主人公だけがオメガバースの常識から外れている様な描写が多い気がする。存在しないオメガバースの世界の法律を読者が知ってるわけないんだし、このレイパークソ野郎が犯罪者なのか否かでだいぶ見方が変わる重要な点だと思うのでそこはきちっと表現して欲しい。現状はαとΩ両方とも自分が被害者だと思っている節があり、個人的にはどれだけハイスぺイケメンであっても、この性格のレイパークソ野郎に主人公が惚れる展開ならこの先はもう読めないかなぁ。ここから更に周囲からの嫉妬やらなんやらで主人公が増々孤立して、頼れるのがレイパーαだけになって両片思いに…みたいな展開になるのならそれはもう恋愛ではなくストックホルム症候群なので暖かく見守れる話じゃない訳で…
・・最終巻の追記・・事件の全貌が明らかになり二人の立場も明確になりましたが、それでも最後まで自分の中での軽率すぎる主人公の行動に対する評価は特に変わりませんでしたので☆変更せずです。でもオメガバースの闇が表現されていたのは良かったです。
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