このレビューはネタバレを含みます▼
恋人との同居を解消したゲイの山本凛久は､友人の兄•BL作家の皆川春樹の家に下宿することになります｡下宿といっても仕事中は創作に没頭する春樹の朝晩の食事と週一の掃除が条件で､自分で貯めたお金で春から専門学校に通う凛久には願ったり叶ったりの住まいなのでした｡春樹はかなりの変わり者で最初は凛久も手を焼きますが､だんだんとお互いに慣れて良い関係になってゆきます｡ところが二人で買い物に出た先で凛久の元カレ•健と鉢合わせしたことから健が二人の家に出入りするようになり､凛久は複雑な気持ちになるのでした｡そんな凛久の不機嫌に､ノンケなりに春樹は気遣います｡全てに無関心のようで優しい心遣いをする春樹の無自覚な煽りがなかなか強烈です｡BL作家であることを隠している春樹､カムアウトで父子家庭の父との間に距離ができてしまった凛久､お互いに共通する思いを抱えるものの､じっくりと考えて結論を出す春樹と不安から結論を焦る凛久とが考え方の違いを乗り越えて恋人となり家族にも受け入れられてゆくハッピーなお話です｡元カレ健の次の恋はスピンオフ『ヤンチャ男子の手懐け方』で読めます｡
レビューをシェアしよう！
ERR_MNG