このレビューはネタバレを含みます▼
友人の樹からニートの甥の就職を頼まれた若宮宗二朗は、自らも働く叔母夫婦の営む酒造会社で田中志恩の面倒をみることになります。幼い時に両親を交通事故で亡くし、樹と樹の両親に育てられた志恩は頭も学歴も良いのですが、就職先を数日で辞めて引き篭もっていました。ボサボサ頭に無精髭で見るからにやる気の無い志恩は、大好きな樹が結婚してしまったこと、その樹に何か秘密があるらしいのに自分には打ち明けてくれないことで色々と拗らせているのでした。そんな志恩が歓迎会で若宮酒造の美味しい日本酒を飲み過ぎて潰れてしまいます。介抱していた宗二朗も酔っ払っていて、目を覚ました志恩にキスするとコテンと眠ってしまうのでした。一緒に働くようになった二人の印象がどんどん変わってゆくのが面白いです。感じの悪い志恩の年齢より幼い不器用さ、割り切った大人のように見えて失恋の傷が癒えない宗二朗、そして二人を繋ぐ樹の秘密と終始テンポ良く進む安定感抜群のラブコメです。二人の印象の変化もあって、どちらが羊でどちらがオオカミなのか考えるのも面白かったです。