アイロニードレスにさよなら
」のレビュー

アイロニードレスにさよなら

みよしあやと

無知は大切な人を傷つける

ネタバレ
2024年3月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読んで良かったです。BL漫画の中では、ありそうでなかった題材だなと感じました(私がそういう作品に出会っていないだけかもしれませんが)。恵一のお母さんのように、性自認と性的指向の違いが分からない人、世の中にはまだまだいるんだろうなと思いました。お母さんは良かれと思ってやったのだろうし、分からないから不安で、ちゃんと知ろうとしなかったんだろうなぁ。でも無知は大切な人を傷つける。正しく理解するって大事だなぁと思わされました。恵一にとって巡の存在がどれだけ救いだったのかな、、そう思うと胸が熱くなる。セクシャリティで悩んでいる子どもが同じセクシャリティの大人と出会えることの大切も感じたりしました。最終的にお母さんが気付かされ、制服変えようと恵一に言ったシーン、恵一が卒業式にスカートを履き「最後はおっさんに脱がせてほしい」と言ったシーンが好きです。考えさせる作品でした。恵一がいじめられている描写がそんなにないため、読んでいて気持ちが沈んだりはしません。読後も爽やかです。巡が飄々としているキャラなお陰でもあるかもしれません。卒業するまで手を出さなかった巡の対応は個人的に好きです(キスはしてしまったが)(これはアウトか…?)。
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