わが美しきヴィクター【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
鹿島こたる
このレビューはネタバレを含みます▼
いや最高に好きなお話と絵でした。従者×御曹司ものです。最初の試し読みでは絵柄とその耽美さに1900年~1960年くらいの時代を舞台にした話かと思いましたが、2話目でスマホが出てきて現代の話だったのか!とびっくり。
まず絵が好きすぎる。本当に美しい、2人とも西洋の彫刻みたい。エロシーンが超ふんだんにありますが、全てのシーンが綺麗且つえろさ半端なさすぎる。そしてお耽美すぎる髪型や服装、部屋の内装ですが、全てが良い。演出も派手で、2人のダンスシーンなんかは2回とも突然過ぎ&あまりの見せ場すぎて、BL漫画ということを忘れそうになるほど。めちゃくちゃ好きです。
またストーリーも良すぎる。受けは超上流階級の人間で、小さい頃から偏屈な家で育ちかなり傍若無人な御曹司です。一方攻めは受けに拾われてから受けしか見えない。受けのためだけに生きている存在になります。結果として受けもそんな攻めに信頼を置いて、心を許していくのが可愛い。お互い最終的に好きだとか愛してるだとか一言も言いませんが、どう見てもお互い唯一無二の存在で深く愛し合ってるのが見て取れます。
最初は攻めをおもちゃとしか思って無かった受け。でも事件の時は本当は誰よりも攻めを心配してて誰よりも帰りを待ってたのに、お前なんか海に沈んでおけ!とか言っちゃって家まで変えちゃうその天邪鬼。そのくせ帰ってきた攻めに奉仕しちゃうから可愛いです。攻めもそんな受けが分かってるから、察したり受け入れる愛と優しさ。お似合い過ぎました。
最後の最後までお耽美ですが、描き下ろしはおまけのラブコメで受けのわがままプリンス感が可愛く思えてしまいます。むしろ攻めが受けをコントロールしてるかな、と思えるくらい。そんな二人の関係性が可愛かったです。
刺さる人にはめちゃくちゃに性癖ぶち刺さる作品なので、試し読みでこれは好きかも!?と思えた方は是非買って損はないです。ただし万人受けの作品ではなく、合わない方もいるとは思います。演出の派手さや耽美な雰囲気などが。
この世に沢山の商業BL漫画が出てきた中でも、異色の作品でありながら素晴らしい世界観と超美麗絵なので、個人的には本当に買って良かったです。
あとめちゃくちゃどうでもいいのですが、描き下ろしの受けの命令の仕方がち○かわのモ○ンガみたいな言い方で可愛かったです笑
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