このレビューはネタバレを含みます▼
本国の早読みもしてますが、微妙に理解できない言葉もあるし、日本語でも見たいのでこちらでも読んでいます。エジプト神話がベースであっても、必ずしもイコールじゃないとわかるところが素晴らしくて、神々の解釈というか、先生の妄想力が絶妙でなるほどなーと、感心ばかりしています。
物語の中、人と人ならざるものの考え方の差、長いものに巻かれる人の姿は、いかにも人であり、人がどれほど賢明であっても愚かであるか、醜いものであるかがひしひしと感ぜられます。と、同時に神も1柱ごとの思惑のままに、気ままで勝手、かつ、愚かであるというのが感じられて良いです。それと同じく神が人に近づいていく過程、感情や愛という曖昧で形のないものの形骸化など、神と人の線引きの曖昧化など考える要素たっぷりで良いです(ラーの懸念点が…)
あらゆる意味で罪深いな、と思うところです。
完璧ではない、偏っている、そういうところ最高に歪で好きです。セトにとっての贖罪ってなんだろうとかこの頃よく考えます。なんとなく荊の道行きのように思えて切なさもあります。
…っていうかオシリスがアレなのはともかく、ホルスはセト叔父様が好きすぎて心配だし、そもそもアヌビス大丈夫なんだろうか、とか、度々もどかしいです。いい意味でもどかしい。