このレビューはネタバレを含みます▼
亮と楓には秘密がある。
中学のときに廃工場で出会った2人。
離婚した母と暮らす亮は、空虚でつまらなく、歪んだ思考を持ちながら優等生でいる演技をしながら、母用に生きていた。一方、楓はクズな父親から虐 待されながら、何ができるかを考えて生きていた。
楓を物理的に解放したのは亮。申し訳なく思いながらも、施設に預けられ、離れてしまった。亮なら上手く生きているだろう。自分を忘れて楽しく生きていて欲しい。願望を持ちながら、罪悪感と恋慕を抱えて、亮が幸せであると思い込んで生きてきた楓。
亮は、楓がいなくなり、更に空虚になり、楓を探す手立てもなく、8年取っ替え引っ替えしながらヒモとして暮らし、楓への変質的な妄執を抱えていた。楓以外、どうでもいい。
街で見かけた楓。自分に気づかないショックもあったが、楓の家を突き止め、楓に声をかける機会を狙っていたが…ヒモとして、最低限のこともせず、恨みを買う。
今度は、楓が亮を助けた。逃避行の始まり。日がな一日、抱き合う2人。楓さえいれば良い亮、罪悪感と亮を思い自首を覚悟する楓。
亮の妄執に気づき、待っていて欲しいと約束する楓。
楓がいなければ、まともに生きられない亮、そうしてしまった罪悪感と歓喜が同居する楓。
歪み、偏りながらも、ハピエンなのだろう。
互いのために罪を作り秘密を共有し、だけど、「まとも」さを取り戻すために行動した楓。もう、2人は離れられない。
追記:番外編2つは攻めの執着そのもの(笑)エロエロですね、本編より明るい執着(笑)