その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
鯛野ニッケ
このレビューはネタバレを含みます▼
主従だ!!!従者攻めだ!!!ヤッタ!!!!!走り回って転げ回った後、腰を据えて重たいストーリーに向き合い涙しました…。シリーズの中ではこれが一番、現代に通ずるテーマ性を持ったお話だと思いました。
様々な世界、価値観を知るというのは、大切ですが難しいですよね。人それぞれに日々の営みがありますし、優先順位も違う。だからこそ、書き物や映像、音声なんかのメディア媒体に溢れた情報社会に生きられる有難みを感じます。ここにいながらも、ここではない世界のことも知ることができたり、自分ではない誰かのことを知ることができる。常に学び、無知に向き合い、優しくありたいものです。
シリーズを通してずっと思っているのですが、シンさんは優しすぎるんですよね。世界を知りすぎているが故に、様々なものに目を向けることができてしまう。そして、そのどれもを取りこぼしたくない。傲慢で欲張りですが、だからこそ向上心があって、人に好かれるのだと思います。こういう方は定石で早死というか、身を滅ぼしがちなので、リアンドロスさんというストッパー兼帰る場所があってよかったなって本当に…助かりました…命が。それに振り回されるリアンドロスさんも難儀ですが。そりゃ愛憎入り混じるわ、いとしいとしというこころですわ。
あのォ!シンさんが!こんな色っぺ〜枠だなんて!聞いてないですよ!ギャップが!リアンドロスさんも、今まで心情が読めなかっただけに、今作で爆発してるの良すぎる…。好きな主従あるある発表します、クソデカ感情抱えがち!!!それが恋情でなくても、忠誠や信頼が混ざるともう人間めちゃくちゃになっちまいがちなんですかね。いいよ、もっとめちゃくちゃに乱れな。個人的最高シーンは「あなたの熱した心が〜」のところです。こんな素晴らしい台詞…指先まで痺れました。あとシンさんの流し目です、何回か見られます。一つに絞れん、全部最高ってことで。
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