ロマンティック上等
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ロマンティック上等

森世

ポップな表紙とは裏腹の重苦しさがある

ネタバレ
2024年4月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ハイスペックな恋人を求めるΩの男が、自分磨きをしながらも発情期は幼馴染のβの男に発散してもらう日々を送っていたが、合コンで理想通りのαに出会ってしまう、トライアングル・ラブなお話。
表紙と物語の雰囲気はポップで明るく軽く進んでいきますが、実際は重く壮絶なお話だと思います。計のあっけらかんとした性格や前向きな強さでマイルドにはなっていますが、番が何人もいる駅人と番になることや番がいるのに次継と結婚するという選択は例を見ない衝撃作だと思います。
ハイスペックなαを探し続けるΩの計の姿勢や、たくさんの子供が欲しいからと何人ものΩを番にするαの駅人の考え方は、どちらもひどいもので、一方だけ責められるものではないと思います。でも、最終的に合意なく首を噛んだ駅人はルール違反だし、番が出来てから次継への気持ちを自覚する計も最低だと思いました。どんなに想ってもらっても、番ではないという理由で身体的に拒絶されてしまった次継の気持ちが本当に切ないです。次継が男気を見せて結婚してくれたから救われたお話だと思います。
最終的にはハピエンですが、そこに至るまでの過程に問題がありすぎて賛否両論ある気がします。でも、私は全ての人が納得いく形で人生を送れるとは限らないし、幸せになれるかも別問題だと思う人です。色々な間違いがあっても、幸せになる努力をした計と次継が笑顔で一緒にいられて良かったと思います。
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