ピュア男子と紳士の無垢な恋心

母子家庭で経済的に苦しんでいる男子高校生が、父の店を潰してのうのうと暮らしている大金持ちの社長に近づき悪巧みをしようとするが、超絶いい人だったので惚れてしまうお話。
直己の真っ直ぐさと京一の紳士的対応が光るこの作品。とにかく素直さと真面目さと一途さで全ての人の毒気が抜かれてしまうのではないでしょうか。最初こそ悪さをしようとしていた直己も、まっすぐに自分と向き合ってくれる京一の誠実さで彼の為に何かをしてあげたい、力になりたいと考えはじめ、努力して自分を変えていきます。また、京一は過去の行動を反省してるからこそ力になりたいと、直己の今後に繋がるような支援をして、過去の過ちに報いていきます。そんなお互いがお互いを思いやる気持ちが心地良さや恋心に変化していくのがくすぐったくなるくらいピュアな「好き」だと思いました。
佐久間の気持ちも途中からそうだろうなと思っていましたが、彼が京一にとって大切な人であること、同じように京一を大切に想ってきたことを当たり前に尊重してくれる直己はとても素敵だと思いました。佐久間のちょっとした意地悪もありましたが、直己の心の広さであまり嫌味に感じさせない展開になっていたと思います。
高校生の青さと大人のジェントルな姿勢が清々しいお話です。