このレビューはネタバレを含みます▼
話は面白いです。見飽きたテンプレでもないし、きちんと設定を悩み抜いて作られた丁寧な作品だと思います。
ただ、幾つか引っ掛かるポイントがあり、それらが作品の評価を下げてしまっています。
まず引っ掛かったのが主人公があまりにも容易く奴隷の女の子に手を出す点です。
そりゃ舞台は異世界で相手は奴隷なので倫理観は現代人の私達とは違うでしょう。
しかし主人公はそうじゃない筈です。成人した日本人男性が奴隷とその主人という立場の差を利用して少女にそういう行為をしたという事実だけで、主人公の正しさが失われてしまい、読む人によってはクズと取られかねません。
実際、後の言動で初日に最後までしたと察せられて自分はここで主人公がちょっと嫌いになりました。
次に主人公の能力を文章でダラダラと垂れ流す場面が多く、とてもじゃないが読んでいられないという点。
せっかく物語なのですからライブ感重視でストーリーに絡めて説明は必要な部分だけ抜粋してほしかったです。
最後に、個人的に次回購入を止めようと決意した点なのですが、途中から登場する眼鏡の女性キャラが生理的に無理だという点です。
このキャラは世の秩序を乱す異世界人を排除するという理念のもと行動し、獣人差別主義者を洗脳するほど憎み、肉を食う人はぶん殴りたいと豪語する、とんでもない偏った思想の持ち主です。
それでいて自らすすんで自身に罰を科して他人を害した償いが出来ていると思い込んでいるヤベー奴です。
そんな事しても被害者は喜ばないし、そもそも他人をいたずらに害するなというだけの話なのでは?
せっかく可愛らしい外見のキャラなのに好きになれず、残念な思いでした。
それと牛の獣人キャラの台詞で「うちは獣人が働いてるから肉は出ないよ」というような事を言うのですが、自分には意味が分かりませんでした。
牛の獣人はあくまでも人であり、動物の牛とは別の生き物だと思います。
それともこの作品内では、人間はチンパンジーと同じ生き物なんでしょうか。
あるいは獣人の肉を食べている?
また、肉食の獣人は存在しないんでしょうか?