ぼくのパパとパパの話
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ぼくのパパとパパの話

ろじ

心の栄養ドリンクみたいな優しいテイスト

2024年4月22日
BLアワード2024【次にくる部門】2位も納得の素晴らしい作品でした。BLの括りを飛び越えて、家族の在り方について考えさせられました。一冊の本に幾つものテーマ(同性愛・ふうふ・親子・育児など)があるのに、押し付けや詰め込み感がなく読み手に優しいと思いました。
人によって自分に関係するテーマも違うし思いの深さも違うので、響くシチュやシーンも違うでしょうし、掘り下げ具合もそれぞれで、でもそのどれも・誰も否定しない温かさを感じました。
そして、何気ない言葉に個々の常識や価値観が凝り固まっていて、悪気の有る無いに関わらず傷つけ傷つけられる事があるのだと、優しく気づかせてくれました。
あとがきで先生に子供はいないと書かれていますが、育児経験者から見て「とても未経験とは思えない」程リアルで、育児あるあるに頷きっぱなしで懐かしく読みました。
意外にも私にはママ友とのやり取りが一番刺さりましたね…BL読んでて何故にって感じですが。この作品を読んで「あぁそうか。知らず知らずのうちにその人自身の常識を押し付けられてたんだな」と、当時のモヤモヤが晴れました。
今でも時々「謎な褒め言葉」を頂戴する事があって、モヤっとする事がありましたけど、こちらを読んだおかげで理屈が分かり、これからはスッキリ流せそうな気がします。
心の栄養ドリンクのような癒しの作品だと思います。
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