獣の奏者
」のレビュー

獣の奏者

上橋菜穂子

容易く世界観に没入できる表現力の名作

ネタバレ
2024年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 星を付けるなど、おこがましいと感じてしまう作品。
児童文学とありますが、上橋先生の作品はどれも大人も読んでほしい。
子どもは必読だと思ってしまう。
感じた心を忘れずに生きてほしい。

主人公エリンの生き様を目をそらさず一緒に旅に出る感覚。
涙を流し流す度に強くなるエリン。
人間の愚かさや幼さが悲劇も喜びもを生み、清らかであればあるほど傷つきながらも美しくのびやかに生きる少女の物語。

目を閉じるとエリンの世界が容易く広がります。
圧倒的な世界観が一生忘れることのできない物語となること間違いないです。

有名なファンタジー物語は海外にも多くありますが、上橋先生のファンタジーほど日本人の心にすっと入り込んで音や匂いを感じるほどに近くに感じることが出来る物語はないと思います。

昔、映像化もされているのでそちらを先にご覧になった方も是非文字を通して今一度エリンの世界に飛び込んでほしい。
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