転生侯爵令嬢奮闘記 わたし、立派にざまぁされてみせます!
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転生侯爵令嬢奮闘記 わたし、立派にざまぁされてみせます!

屋丸やす子/志野田みかん

小ネタがいっぱいなのに本筋もしっかり

ネタバレ
2024年5月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何番煎じか分からないくらいもはやド定番の転生令嬢ものです。
ただ、今作は元ネタが乙女ゲームや小説ではありません。

滑って転んで頭を打った拍子に前世を思い出した侯爵令嬢ユリアンヌ・ゲッスール(すごい家名w)
名前のとおり金の力で王家まで意のままにしようとする性根の悪さでしたが、前世を思い出してからは一転、ダイエット、節約、領地経営など家族のために努力を始めます。

1話1笑いがノルマなのか…毎回めちゃくちゃ笑わされます。
特に面白かったのが、婚約者のアルフレッドと半年ぶりに再会し、出会い頭にユリアンヌを鶏ガラ呼ばわりするシーン。
真面目な王子なのでしょうが、思考回路がぶっ飛んでいます。

ただ、主人公が最初おデブな場合、痩せてからヒーローがヒロインのことを気になり始める展開が多い中、彼はおデブなユリアンヌのことが最初から好きらしいのです。
体型だけで女性を見ない…これだけで好感度爆上がりでした(笑)

この作品の凄いところは、盤石ともいえそうな王太子ルートだけではないところ。
2巻、3巻を通して、アルフレッドだけでなく、義弟のカイルまでもがユリアンヌに好意を持つようになり、それがまた推せるのです。

おバカなネタだけでも十分お腹いっぱいなのに、本筋(?)の恋愛でもかなりキュンキュンさせられるとか…反則級です。
巻が進むごとにしっかり恋愛モードに入っているのに、何故かしっかりガッツリコメディ路線を堅持し、作品のクオリティを下げていないのが凄すぎます(注:クオリティ=面白さ)

そして各巻に入る描き下ろし番外編が秀逸。
これがとても良い仕事をしています。
1巻の幼き頃のユリアンヌとアルフレッド。
アルフレッドはユリアンヌの負けず嫌いで努力家なところに惚れたのだなぁ…とほっこりするエピソードがあり、その後のストーリーをより楽しめるようになっています。

今現在ではどのような結末になるのか分かりませんが、どう転んでも絶対面白いはず。
おススメです。
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