好きで、好きで
」のレビュー

好きで、好きで

安西リカ/木下けい子

幸せも哀しみも表裏一体、を感じます

ネタバレ
2024年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 改札口での2人のシーン、何度読んでも泣けるんです。それが読みたくて、何度も読み返してしまうんです。
穂木の告白から付き合い始めた大切な場所で、別れを決断した日にまた2人で同じ改札をくぐるまで、そしてその後の時間を、いったいどんな気持ちでそこにいるのか、静かな中にも胸が締め付けられる一瞬一瞬が心を揺さぶります。
BLを読み始めてまだ浅いんですがこの本の穂木視点で読み進めていくうちに、ストレートの彼の幸せ=結婚して家庭を持ってかわいい子供の父親になること、をずっとずっと心の奥底に隠して葛藤するのが痛いくらい伝わり、志方よ、もっと言葉にしてやってくれ!と、悲しくなったりもします。
しかし‼︎ 『桜散る頃』を読めば、若い志方はしっかり愛情を言葉にしているではないですか!もう、この頃からすでに溺愛してる!「お前がかわいそうだ」と、あの場面でもきっちり言えるなんて、あぁ、こういうところに惚れちゃうんだよね、と穂木と一緒に舞い上がってしまいましたよ〜!
2巻まとめて読めば、分かりにくいながらもちゃんと愛情表現をしている志方の不器用さも愛しく感じ、最後はなんとも満ち足りた気分になりました。
安西先生が初めての方も、絶対損はしない一冊になる事を保証しますよ!
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