バカで弱くて無様でも
」のレビュー

バカで弱くて無様でも

千代崎

秀逸タイトルを超えてきた

ネタバレ
2024年5月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ごめんなさい、正直、さほど期待してはいなかったのです。作者さん買いと言えばそうですが、タイミングが合わなければスルーしただろう作品が、あまりに良かった時の驚きと喜び。タイトルがね、表紙がね、こんなにしっかり回収されるってなかなか無い。読後の気持ちは、一言で表す言葉が見当たりません。プチ感動したし、プチ愛おしくなったし、プチスッキリしたし…そんないろいろのプチで胸がいっぱいの状態で、レビュー書いてます。
元ホストでオーナーのくにが攻め、モデルの大学生菊丸が受け。この二人の出会いは偶然ではなく、くにが悪意を持って菊丸に近づいたもの。菊丸がくにの妹をひどく振ったから。でも、ゲイであることを隠していた菊丸は、大人のくにに夢中になります。手を出された後、くにがつれない態度になると、菊丸はくにの店のホストになって、好きを諦めません。バカで弱くて無様ながら、くにのそばにいたくて、懸命に働く菊丸ですが、くにはなかなか振り向きません。この二人、実はゲイである事を隠したいがため、女の子と付き合ってきたという共通点が。くにはホストとして、女の子を抱いてましたが、菊丸はムリでした。そんな可愛い菊丸が、ホスト仲間のマヤの言葉を借りれば、負け続けたから勝った、くにを振り向かせた、というストーリーを軸に、いろんな人が絡みます。くにの妹、ホスト仲間、元客、ストーカー。誰が悪いヤツなのか、最後まで分からない漂う不穏さも楽しめました。全部が明らかになって、バカで弱くて無様なのが誰かもはっきり言われて、愛おしいなぁという気持ちは、菊丸だけでなく、くににも向かいました。
購入して良かったし、大満足の作品ですが、人によっては地雷もコロコロしてるかもしれません。エッチは濃厚ですが多い訳ではなく、ホストなので女子との絡みも、菊丸×他のホストの絡みもあります、菊丸はずっと一途ですが、かなり脇が甘いので。くに×菊丸が最後まで致すのもホントに最後までお預け。くにには、大きなオチも待ってます。ストーリー重視と冠をつけたくはなく、ストーリー充実のtheBL、よく描き上げていただきました。ありがとうございます。とっても良かったです。
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