サイレントノイズ
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サイレントノイズ

いちかわ壱

雑音だらけの世界で生きる唯一無二の二人

ネタバレ
2024年5月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 全246P/表題作のみ。名家の御曹司と寄り添う特殊能力持ちの従者、ああもうこれだけで萌える。他のバース物に比べてまだ作品数の少ないセンチネルバース(こちらの作品ではガイドバースという名称を使用してます)が増えて嬉しい...しかもナンバリング!1巻は主人公である尊と暁臣、彼らを取り巻く人物達や環境等の紹介編といった内容です。卓越した五感の能力を駆使するセンサーを輩出してきた名家に生まれた尊。センサーでもなくセンサーをコントロールするガイドでもない一般人=ミュートであるだけなのに、幼い頃から【無能】扱いを受け、拉致されることも多々あるというきつい環境の中でも道を外すこともなく健やかに成長していきます。名家に生まれたことを恨む訳でもなく愛情深い家族を誇りに思うとてもいい子なんです。いや本当にいい子なんだよな~;;周囲の【雑音】が酷すぎてひねくれても全然おかしくないと思うんです。尊がそうでいられるのは尊自身が言うように暁臣の存在がとても大きく影響しています。尊の専属護衛でもある暁臣はセンサーの中でも五感すべてが覚醒している希少なセンサー。五感すべてが発達しているってどんな感覚なんでしょうね。普段の暁臣は能力制御ピアス着けてるんですよね~着けてる時でも超人なのに全解放したらどうなっちゃうんでしょうか。大学生でもある暁臣は今でこそセンサーとして活躍していますが、幼少期に能力覚醒したために施設に預けられ心を閉ざしていました。自分よりも年下で守るべき対象となる尊と出会ったことで暁臣も変わっていきます。幼少期の尊がめっちゃ可愛い~ほわほわな笑顔であんなこと言われたら尊至上主義にもなりますよ。尊だけが自分の世界のような暁臣と、自分といることによって優れた暁臣が軽んじられることが許せない尊…はぁなんて尊いんでしょう。距離感バグってるのもとても良き!こちらは学園物でもあるので尊の同級生達も登場します。尊にやたらと突っかかってきたセンサーの逢坂とクラスの委員長でもあるガイドの立花、この二人も進展したりするのかなぁ?(して欲しい)立花と尊が体育倉庫で会話する場面でぞくぞくする演出が出て来まして...あの場面がとても好き。暁臣、ねぇそれ尊に聞かせたくなかったんだよね?検査を受けても適正無しと診断される尊は本当にミュートなのか?そして暁臣はどこまでわかっているのか?終盤でその片鱗が見えて2巻へと続きます。
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