二度目の異世界、少年だった彼は年上騎士になり溺愛してくる
琴子/氷堂れん/綾月もか
設定変更やむなし ボイスドラマは星5つ!
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
何人かから指摘されているように、Web版やライトノベルとコミカライズでは転移前のヒロイン、幼いルークとの最初の別れのシーン等設定が変更されています。私はYouTubeで公開されているボイストゥーンで関心を持ち、それからコミカライズ、Web版へと読み進みました。
ボイストゥーンでは声優さんの演技が素晴らしかった。特にルーク役の木村さん!サラと大人ルークが再会するシーンの声の震えはさすが一流声優の演技力だと感動しました。その余韻でコミカライズを読んでみたら、作中人物の表情の乏しさが目だち、ボイストゥーンで脳内補完しないと平坦な物語になってしまいました。さらにWeb版になると、語彙の少ない単調な文章、伏線無しの物語に成り下がりました。
コミカライズするには盛り上がりに欠ける原作内容だったため、雑な改編をしたように思えます。けれども私は雑な改編よりも伏線を生かしきれない物語展開の方が残念でした。一例ですが、ヒロインに桁違いの治癒魔法能力があり、国家に目を付けられたら、ヒロインが拘束されるかもしれない、だから秘密にしておこう、でもルークの生命を救うために使ってしまう。、、と話がすすみ、今後はヒロインが何らかの辛い状況に陥る展開を予想し、そこでヒーローがどう動くのか、、、と読み進めていたら、、、ヒロインはその強大な魔力のおかげで国家最高の役職を獲得します。ここまでの物語はなんだったんだ、と脱力。その後の二人のイチャイチャに感情移入どころか冷めました。
この原作者の他作品もWeb版で読みましたが、程度種類は異なれど山場の無い物語構成でした。美男美女のイチャイチャシーンに筆力を注ぎ、辻褄の合う物語を書けない、あるいは書く必要がないと思っているかのようです。レビューで高評価を得ている箇所は物語設定構成無視の溺愛一択。原作者の製作姿勢が私には合いませんでした。レビューの星2つはボイストゥーンの声優さんの名演に対して1つ足したからです。声優さんの演技力のスゴサを認識した作品でもあります。
いいね