インディゴの気分
」のレビュー

インディゴの気分

丸木戸マキ

スピンオフと思えない。素晴らしい。

ネタバレ
2024年5月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 城戸目線のお話ですがとにかく内容が濃い!
前作の流れに持っていってなんら違和感の無い、よく考えられたストーリーに脱帽。

最終的にくっつかない二人を描くのは結構大変だったと丸木戸先生のコメントがありましたが、そう感じさせない骨太なストーリー展開で、男の矜持と優しさ弱さが魅力的に描かれ読み応えありました。

才能に溢れ、人にどう思われようとも自分自身を生きる高潔な理生と、凡人ゆえ周りを気にし、自分自身を生きられない城戸。お互いが相反する人間だからこそ惹かれ合い、嫉妬する。想いをぶつけ傷つけ合うシーンは本当に胸が苦しくなりました。

そして蒲生田先生。素晴らしかったですね。
文筆で名を馳せ、やりたい放題やって生きた老人の晩期に付き添い看取った理生に共感し、涙しました。でも先生は最後に理生が居てくれてほんとに嬉しかっただろうなぁと。
丸木戸先生の描く人物はどれも人間味に溢れている。人間臭が、ぶんぶん!
欲望について理生に諭した台詞も良かったなぁ。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!