レビュー
今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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キャラクター魅力度No.1漫画2024年10月7日物語の核を中心に放射状に伸びたアンテナの数が驚くほど多いので、刺さったアンテナの数が多い私はど嵌まり。くり返し読めば読む程面白い漫画です。
アイヌ文化や日露戦争後の北鎮部隊など歴史上繊細なテーマを扱っていますが、そのディティールについては高い評価がありましたので、読者としては安心感を持って読み込めました。
物語のスケールの大きさに対して間延びのしないストーリー展開は、2年かけて構想を練られたという、作者と編集者の気迫を大いに感じられるものでした。
本編と二次を同時進行している様な不思議な感覚があり、物語の性質上、残酷な描写も多いはずなのに、悲しむ暇を与えないギャグの放り込み方が独特で個性的。読みはじめに感じた違和感が今ではすっかりクセに。野田先生の仕掛けたくくり罠にまんまとかかっています。
何よりキャラクターの魅力度は今まで読んだ漫画ではNo.1。これ以上が果たしてあるのか?と思えるほどです。素晴らしい…素晴らしい作品をありがとうございました(涙)
この大人気作品が与えるアイヌや戦争や北鎮部隊への理解については(自分自身全くもって無知な領域であるのをふまえて)読み手が頭の中できちんと漫画と現実を切り離し、考える事をやめずに現在進行形で深めていければ、本当の意味での作者へのリスペクトになるのでは…それだけは、忘れずにいようと思います。 -
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尊いってこういうことか2024年8月12日本編の辰見と戌井のこれでもかという位ピュアで可愛くてあま~いスピンアウトがお腹いっぱい楽しめます。
エンゾウ先生の絵がとっても表情豊かで美しく…ストーリー的には凄惨な過去や事件が起こる訳でもなく、二人の幸せな日常がメインに描かれているのですが、辰見の知られざるトラウマや戌井とのちょっとしたすれ違いによる喧嘩などが、エンゾウ先生の素晴らしい手腕でもって胸は締めつけられるわ涙腺に響くわで、まんまとしてヤラれましたー!
笑いありエロあり特濃ラブあり。こんなにも読者の欲望を詰めに詰め込む事が出来るものかと驚きを隠せません。
登場人物に関してはとにかく戌井のキャラが秀逸!
あのうざめの前髪もヲタトークも全てが可愛くて…
そしてそれを否定せず受け入れてる辰見が愛おしい。周りの人達も然りで、受け入れる懐のある人達ばかり。ご都合主義と言われればそうかもしれませんが、こう在りたいよね、と思わせてくれる漫画なので、読後は多幸感に満ちているのかもしれない。
自分の中では間違いなく殿堂入りに決定です。 -
ここまで突き抜けてると爽快2024年8月6日フェロモン症という独特の設定に沿って3組のCPのお話がありますが、好意を持ってる側がフェロモンに当てられてが発情しちゃうっていうのがイイ。
そしてとにかく絵が上手い!綺麗!でも濡れ場は怖いくらいぐっちゃぐちゃで顔もグチャグチャ(笑)
丁寧でシリアスな表情の描き込みと笑いとエロとのメリハリが半端ない。
どの話も全て面白くてストーリーも引き込まれますが、フェロモン症とは関係無いCPのお話で「好きにしたいよ」の藤生と真澄が最高…!最初から最後のコマまで全く無駄の無い完璧な面白さ。親御さんに泣かれて修羅場という最もストレスフルな展開も何のその、愛と笑いに満ちた究極の執着ここにあり。 -
素晴らしい作品に出会えた2024年7月7日藍染をテーマに描かれたblがある~!?と、この作品を見つけた時は嬉しくて興奮しました。
作者様のお母様が染色家である事、とある藍染工房を参考にされたとの事ですが、おそらくあそこの工房だろう(私も見学に行ったことがある)とすぐにピンとくる程、確かな画力で本当に隅々までリアルに描かれています。両面型付けや藍染についての説明はほどほどにしておいて、しかし描写はかなり的確であり…そこに作者様の伝統工芸の世界への敬意と理解が感じられました。1ミリのズレもない様に、整然と並んだ紋様を繋ぎ合わせ続ける仕事を人生と重ねて生きてきた職人にとって、義兄弟とどの様な関係になればいいのか、そこに正解は無いように思えます。どこまでいっても満足する事の無い職人の仕事と同じように、静かに時間をかけて…時には悩みながら進んでいくしかないのだと感じる終わり方でありました。
ラブ展開での高揚を求めている人には物足りなく感じるかもしれませんが、このテーマをよくよく生かした素晴らしい作品だと私は思います。
表題作以外に短編が二話あります。
プールでのお話を読んで、この作者様は息苦しさを表現するのが巧いのだとハッとしました。
重い…重いなぁ~と感じるのは、静寂の中で、作品に引き込まれ、読み手も息をするのを忘れているからかもしれない。いいね
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人間は歪なところが面白い2024年7月6日もー、ほんとに面白いヤマシタ先生ー。
好き=バカ・嫌い・ひどい への変換が最高に萌えます。全体に絡みは無しですが、好きな人にひどい事言われて困惑してる受けの様子が見れて満足です。
表題作、また変な人出てきたな~w 文句なく面白いです。きのこ頭って、どの層にウケるんだ?という疑問はありますが!インパクトは充分ですよね。
彼女は行方不明 というあまりblぽくないお話は、残酷で、傷付きやすくて不安定な、誰もが知ってる思春期のあのヒリヒリ感を一瞬の風の様に描かれていて、うーん…唸りました。作者の愛を感じます。いいね
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教授が可愛い2024年6月25日ジョナサンの事が気になって双眼鏡で覗いたり聞き耳たてる教授が可愛すぎる…!前作の「嘘つきは~」では格好良い教授、こちらでは可愛い教授が見れます。どちらが好みかって事だと思うんですが…私はどっちかというと格好良い教授にハマったので、大人の色気と余裕をもう少し見たかったっていうのと、薄毛ネタが無くなっていたので星4つです。
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教授がドタイプ2024年6月24日最初はジョナサンと教授のキャラクターが定まっていない感じがありましたが、足かけ4年で出された単行本だとか。絵がどんどんきれいになっていきます。
お話の舞台はアメリカだけど教授のノーブル感とかポロが出てくるあたりヨーロッパテイストが感じられます。若かりし頃の教授の黒いポロシャツ姿と現在のスーツ姿、スタイル良すぎ格好良すぎで身悶えました!薄毛はチャームポイント!!
続編があるので今後二人がどうなるのか楽しみと思える終わり方ではありますが、個人的にジョナサンの良さがいまいちよく分からない(ごめんなさい)良い子ではありますが…。教授はダニエルを忘れる事を選びましたが、私は忘れられない(笑)いいね
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答えも終わりもない生き地獄2024年6月22日小原先生の小説を読んでみたくて最初の1冊を探しましたが、表紙のイラストがどうにも気になりこちらを選びました。「非」さんというイラストレーターの作品で、少し怖いけれど心が惹かれてしまいます。本編を読んでから改めて見直すと、傷ついた美しい少年は、小児性愛者自身の姿にも見えてきます。
読みやすい文体で淡々と進む物語からは、重い十字架を背負って生きる人の、答えも終わりもない苦しみが当たり前の様に存在している事を告げられます。
小児性愛について語るには余りにも重いテーマであるため生半可な考えをここに書く事は憚られますが、当然の様でいてどこか曖昧だった点――小児性愛者と小児性犯罪者は違うという認識を持てて良かったと思います。いいね
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買って良かった2024年6月20日全部面白いです。この作者さんにハマっていれば楽しめると思います。エッセイ漫画は1話につき4頁程の話が沢山あります。ホントに沢山。ただし文字が小さいのでスマホは拡大しながらじゃないと読めないです…。それだけが辛い。でも私はこれを読んでヤマシタ先生がほんのちょっぴり見えた気がします!”チェインギャング“なんかは萌えしかないのでエッセイ漫画の清書版の様に感じて、そういうことかーっ!と。勝手に納得。
”デビルズ サラブレッド“すごく好きです。元々引きの絵が多い漫画が好きなのですが(作者さんの多くがベテランになると段々とコマ割が大きくなって、顔のアップが多くなってくる傾向にあるんですよね…)この作品だけコマ割が細かいし引きの絵が多くタッチも違う。初期作品なのかな?暴力的なのも含め全てが好みでした。 -
If…もしもこんな関係があったら2024年6月18日よく分からない関係なんだけど、普通という概念にとらわれなかったら、こんな人達がいてもおかしくないのかな?
拾が彼女に言ったセリフ「普通の話じゃなくて僕の話をしてるのに」が、拾という人を表している気がします。ただし今までも3人で上手くいかなかった事やタケとミネの距離感を気にしたりと、何気に言い出しっぺの拾が一番揺らいでる。グラグラ危ういバランスでちょっとずつ形を変えながら関係は続く。でもそれって1対1でも実は大差無いのかなぁなんて思ったり…。なかなか共感は難しいけれど。
そしてやっぱりこの作者様の描写はエロい…。 -
才能にもはや恐怖を感じる2024年6月8日こんな漫画をどうして描けるのか…はらだ先生の才能に対して、もはや恐怖を感じます。
2巻完結とは思えない内容の濃さと急勾配の展開。そしてこれ以上は考えられないであろう執着の発想は、どこまでも突き抜けている。
ネタバレなしで読まれることをお薦めします。
初めは特に文字が多いのですが、美容師のお仕事が詳しく描かれている為で、その点が最高に推せます。
読んでるとBLって事を忘れる時があるくらい、仕事の話が面白いです。
華やかなイメージの裏で並々ならぬ努力をしているスタイリスト達の姿や、BL色の強い作品だと敢えて萌え重視で描かれない、色んなお洒落な髪型や服装が楽しめました。
あと個人的に、鬼頭さんが好き。好き過ぎました。 -
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表現力が半端じゃない、引き込まれる2024年6月2日他サイトで1話だけ試し読みした時に、短編集なのかな?と思っていましたが、橋内中尉の話を挟んだ後は、1話の田中志津摩と八木中尉の話になります。1話だけで終わっていても違和感が無い程まとまっていたので、その後の展開に意表をつかれて、上手い作家さんだなぁ~と驚きました。八木がどんな人物であったか、志津摩とどの様に愛し合ったのか、そして淀野さんの不穏な執着の行方が描かれていてとても読み応えがありました!
登場人物の気持ちを読者の想像に委ねられている箇所がいくつかありますが、表現が素晴らしいです。
特攻隊をテーマにBLって凄く難しいと思うのですが、この作者様はすごい。戦争を舞台にただ刹那的な愛を美しく描いている漫画ではないです。
志津摩に関しては、特攻というものをゴールに据える事で自分自身を身軽にし、ある意味で救いになった面もあったのかもしれませんが…そんなの本当は間違ってる。弱さを見せない、笑顔の志津摩が不憫で愛しくて堪らず、八木中尉の表情と合わせて涙がとまりませんでした。戦争、ダメッ…!ぜったい…!! -
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ああ、斗真…かわいい!2024年5月28日AV製作会社に所属する俳優さんがゲイビ向けのレーベルに出演するお話ですが、撮影中の性描写や会社の明るいノリが絵柄と微妙にミスマッチな気がして(マリ子さんいい人なんだけども…)何となく違和感を感じてしまいました。なので星4つで。
光と仁のプライベートな会話になるとセリフの良さに引き込まれ、これこれ!この感じを待ってましたぁ!となります。もはや丸木戸先生は絡み描写が少ない方が私的には好みかもしれません…
あと仁の息子の斗真がすっごく可愛い。
斗真と光のこれからがあるなら見たい。いいね
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めちゃくちゃ面白い2024年5月14日丸木戸先生の湿り気のある画風とノスタルジックな空気感が好きです。こちらの作品は試し読みでめちゃくちゃ面白かったので即購入しました。シュールな絵柄からは意外な程あちこち笑える要素があります。
浮世離れした作家・理生に私はすっかりハマってしまいまして、嘘や奇行も全てがかわいいんです…。
関わると大変なんだけど、ほっとけないし何とかしてあげたい…久住君の気持ちがすごく良くわかる。
読む順番としては、本作→續・ポルノ→インディゴでしたが良かったと思います。
城戸との関係などよく分からないままでしたがそれはそれで良かったかなと。いいね
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BLなのに最高のギャグ漫画2024年5月13日何度読んでもお腹よじれるほど笑ってます!
少年漫画っぽい軽快なテンポとお下劣ギャグ。ずっこけ時のバッテン目など溢れ出る昭和感がイイ!出てくるキャラ全て個性的。でも下衆しかいない(好き)
はらだワールド恐るべし。
作品の振り幅広すぎて、この方は本当に天才なんだと思います。登場人物の狛くんと同じで「好き」に正直なんでしょうね~。これからも買い続けます!いいね
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これ以上の色気を知りません2024年5月6日ヨネダコウ先生の作品が大好きで何度も読み返してますが、好き過ぎて気軽に読めないので(笑)我慢して間をおいて、大事に読ませて頂いています。ノワールな雰囲気が漂う表題作はまるで海外映画を見ている様なストーリー展開と探り合いの台詞、背景描写から空気感に至るまで全てがカッコイイ。波止場付近の倉庫の中らしき交渉シーンでは、その場の温度や匂い、はたまた遠くの雑音までが私には聞こえてきます。そしてとにかく間崎さんの色気が半端じゃない…!なんでしょうねぇ…ヨネダ先生はホントに…素晴らしい作家さんです。本当に出逢えて良かったと思っています。もう夢中ですよ。
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