リエゾン
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リエゾン

ヨンチャン/竹村優作

ADHDの薬は?

ネタバレ
2024年5月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 母の家系が皆ADHD、私自身もADHD当事者です。こちらはいい作品だと思います。
(全体的にASDの話が多い気がします。)
主人公がADHDとわかった時・自分がADHDだと暴露するところがとてもリアルで、これまで散々努力してきたことを『病気』の一言で片付けられてしまうことに納得いかない場面や、暴露したときの周囲の反応など、とても共感してしまいました。障害だからと開き直るわけではなく、「時間を守る」とか「忘れ物をしない」とか、そんな小学生で習うような「当たり前」が人の何倍も努力しなければできないことがどれだけ大変なのか、理解してもらいたいという気持ちはすごく良くわかります。

一つ疑問に思ったのは、ADHDの主人公はなぜ薬を飲まないのか?もちろん薬以外の色々な対策をして、ADHDの症状を改善しようとしてる人も多くいるとは思いますが、薬を飲めば明らかに行動も考え方も変わると思うのでなぜ紹介しないのか不思議です。私の場合ですが、ADHDの薬は飲み始めの副作用が辛く、通勤電車で途中下車するくらいひどい吐き気に見舞われたり、春なのに真夏のような大量の汗をかいたり、眠気で2日程動けなくなったりしました。しかしそうしてでも「普通の人」の感覚が欲しかった。そんな患者の様子も描いて欲しいです。

ASDについては「プロちち」がとてもわかりやすい漫画だと思いますが、ADHDを取り扱った漫画はまだあまりないと思うので、ぜひもっと取り上げてもらいたいです。
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