このレビューはネタバレを含みます▼
ややファンタジーっぽいところもあるのですが、戦中・戦後の二人の話。
実は、同じ病院に違うことで入院していて。
なぜ彼は自分をひきとって食べさせてくれるのだろう。
まわりには冷血漢にみえてるけど、自分のほかにも優しくしたりするのもみていて、まさにミステリアスと思ってましたが、話が進むにつれて、生きる意味だったのだなと思いました。ただ、元気に幸福でいてほしい、でも、欲がでて自分のものにしたい、だけど傷つけてしまうのではと手がだせなかったり、烏羽の心情がささります。
そして、結核で戦場にもいけず、美術学校の仲間が命をとして国のために散っていったことを誇りに、自分のふがいなさに生きる意味を見失いそうになる桃里。
絵をかきながら、1日1日せいいっぱい生きる健気で、優しい桃里。
どこか童話の世界のような描写もありながら、二人が両想いになり、むつみあうのもほほえましく、かわいらしかったです。
不思議なストーリーではありますが、優しい気持ちになれるのでお勧めです。