このレビューはネタバレを含みます▼
普段は、ほとんどをBL沼で過ごしていますけど、時々ご縁があって(いや本当、そうとしか思えない出会い方をするんです)ジャンル違いの素晴らしい作品を読めることが嬉しいです。有名だし賞も取っているので存在は知っていましたし、タイトルが意味深というかセンスあるなとも思っていました。そんなこんなで偶然「1巻無料立ち読み」なるものを見つけて読んだら最後…ものの見事にハマってしまいました。絶対に読み返したくなるのが分かっていたので、無料で読んだのに1巻から購入…最新刊は、クーポンも還元も待てずに定価で購入してしまった程のハマりよう(笑)…と、私はこんな感じですが、やはりどんな作品も合う合わないがあると思うので、立ち読み(1巻無料や増量)を利用して判断するのがいいと思います。その場合は、早くて1話、遅くとも一冊読めば分かると思います。
いくつか人によって感じ方が違うだろうなと思う点を上げますと…まず擬似家族の始まり方の部分(1話)で、そもそもの設定に多少の無理はある気はしました。私は「漫画・小説に関わらず創作ものは、基本、ドキュメンタリー意外は皆ファンタジー」と思っているので、あまり気になりませんでした。フィクションである以上、作家さんが「書きたい・見せたい」コアな設定に近づける為にある程度強引な流れもありと思います。この作品のコアな部分は、「擬似家族といえど愛情を持って接し、生活して、それぞれが人として、皆が家族として成長していく過程」を見せることだと思います。
もう一つは、キナさんの性格が淡々・サバサバし(過ぎ)ているように思える点。賛否両論あるような気はしますけど、私は昭和のオバチャンみたいで悪い気はしませんでした。人として違えてはいけない正義や道徳に対して勇敢に立ち向かう姿はカッコ良かったです。「乗りかかった船」という諺みたいに、口を出すだけでお終いじゃなくて協力も助力もするって、なかなか出来ないことだと思います。
大人組みの性格で合う合わないはあるかもしれませんが、子供組みは皆さん大丈夫だと思います。私は特にハルが好きで、天真爛漫・純粋無垢であるが故のどストレート天然パンチが炸裂した時なんかは、最高に楽しかったです。本筋にあまり関係のないところで、おじさん作の焼きそばの話や諭吉の話は、ジワジワとあと引く面白さがありました。