あなたは僕を愛していない【おまけ付】(イラスト付き)
華藤えれな/小山田あみ
このレビューはネタバレを含みます▼
えれな先生自身が5つ作品を選べと言われたらこの作品が必ず入るとあとがきに書かれてますが、読み終わって大きな余韻が残りました。旧ユーゴのこの地域への先生の思い入れも感じつつ読了しました。ショッキングな一臣とマリオンの出会い。オスカーのSSでマリオンが見た夢。娼婦だった母親は幼いマリオンを男たちに売っていた。ミハイルと出会うまでのマリオンの人生を思うと切なさが募ります。オスカーのマリオンへの想いも切ない。天使さんに会ったこともないのに、事故に遭った一臣の心の声がマリオンには届いていて。イエスを抱くマリアのピエタ。マリアは一臣であり、マリオンであり。「シナプスの柩」「地下室のワルツ」の主人公たちと本編やSSで接点があるのも楽しい。一臣と夏生は誰からも愛されるキャラが少し似てますね。仲も良いし。彼氏が傲慢で偏屈なのも同じ(笑)好みも似てる?😄欲を言えば、一臣はもう執刀できないと知った時のミハイルの気持ちも読みたかったかな。医師と話したとしか書いてなく。一臣が持ってたカルテとか見たのかな?うすうす気づいてはいただろうけど。人種、国家、宗教、医療とテーマは重いけれども、読後感はキラキラして。読み応えのある作品でした♪
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