作者買いです





2024年6月14日
たつもと先生のお話は、穏やかで明るい中にしっとりした落ち着きも感じられて、その塩梅が好きなのですが、こちらは苦い過去と厳しい現実がシビアで、ラスト近くまで重く苦しい空気が続きました。予想以上に暗くて失敗したかな?って思ったのも束の間。主人公の寛也が何かもう凄い頑張るんですよ。完全に拒絶され希望の光は潰えてしまったように見えた時でも、最後まで諦めずぶつかっていく姿に感動しました。頑なな人達の心を動かす存在として説得力がありました。少年漫画の主人公みたいに力業で闇雲にぶつかっていく訳じゃなく、かといって合理的にでビジネスライクな接し方でもなく、寛也の物事の運び方には愛を感じました。BLなので、恋愛の方もしっかりありますが、それ以上に家族の愛や故郷への愛など、色んな愛が描かれていて、そのすべてが絡み合って綺麗に一つにまとまっているから凄いです。そしてそんな健気で頑張り屋さんの寛也が、好きな人の前では無自覚に弛んでめっちゃ可愛い&エロいので、そっちも十分満足できました。メガネのオンオフにキュンとしました。タイトルと表紙でジメジメ暗そうな印象からスルーしちゃったら勿体無い、素敵作品だと思います。

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Crayon さん
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あやたけ さん
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あお さん
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Ccoomiik さん
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