俺の有害な異世界
」のレビュー

俺の有害な異世界

新本浦子

よくある異世界モノからの大転換ストーリー

ネタバレ
2024年6月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 夏野優一は車にぶつかった衝撃で異世界に飛ばされてしまいます。目覚めるとそこは第二性•オメガバで構成されるパラレルワールドでした。元の世界では冴えないメガネキャラだった優一は希少なアルファということで、ベータと同じぐらい街に溢れるオメガ達から狙われます。それを救けてくれたのが、元の世界では優一を嫌っていた秋田幹久でした。カッコ良くて男前な秋田くんはオメガですが、「お前はオレのアルファだから」と宣言し、優一を守ってくれます。けれども秋田くんのヒートに誘発されてしまう優一は、秋田くんの想い人は自分ではなく本来この世界にいた優一だからと姿を消そうとするのでした。秋田くんの語る優一の忘れていた記憶が切なく胸が痛みます。そこからのクライマックスで明かされるタイトルの掛け言葉が秀逸でした。一読目と二読目とで違う楽しみ方ができる佳作です。
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