ストーリーもキャラ造形も秀逸。

主人公二人だけでなく、イヤ〜なキャラの何ともいえない嫌らしさまで人物造形がしっかりしてる。律母と的場と的場母の関係に律が絡め取られ動けない状況、状態になってるのがよくわかる。母親に何を言っても変わらない、真綿で首を絞められるように逃げ場を塞がれ耐えるしかない恐怖にゾワ〜っとする…。あらたのうざくてイヤ〜な感じも凄い。
キヨも律も自分の気持ちはしっかり持って流されることなく、お互いを想い合って友情から恋愛に進む様子もエピソードを重ねながらブレずに丁寧に描かれていてよい。二人ともイケメン設定だけど心持ちがナヨナヨするところがなく男前なんだよなぁ。キヨが律の状況を変えていくように律もキヨの光になっていくのだろう。親からの脱却や性的志向への向き合いなど男子高校生の成長と青春が詰まってるなぁ。律が同じクラスの子と友達になったり、キヨの理解ある幼馴染みとかの高校生活の鉄板の様子もよい。思いがけずいい作品に出会えた。