いつわりの薔薇に抱かれ
」のレビュー

いつわりの薔薇に抱かれ

英田サキ

余韻に浸るラストが好き

ネタバレ
2024年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 頭から離れないほど後ろ髪を引かれると言うか、余韻に苦味が残る着地が好きで今作もそんなラストが印象的でした。言うなれば2人のその後を読者側に想像させる、ハッピーエンドか否かの判断は読者側にお任せっていう‥
BLってメリバや悲恋が少ないので、こういうラストを迎えると私は断然悲恋一択に振り切って切なさに悶え勝手に胸を締め付けます。そして、そんなラストをも描いてしまう作者様の力量に感服するのです。

お話は香港マフィアと偽バトラーのロミジュリ系。マフィア絡みですがダークな場面はなく、2人の揺れ動く心情にフォーカスしているので読みやすいです。
お話の展開はなんとなく分かりますが、後半では受けの苦悶と攻めの包容力に身悶えし2人が過ごした最後の数時間は堪らない気持ちになりました。
薔薇が良いアクセントになっていてタイトルも秀逸、118pですが読み応えあります。「何日君再来」、いつまた来てくれるの。アレックスも高峰も何度となくこの言葉を思い浮かべるのでしょう。切ないお話でした。
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