ライオンハーツ【単行本版】
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ライオンハーツ【単行本版】

三田織

ライオンのように強い2つの心で乗り越えて

ネタバレ
2024年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼馴染み、両片思い、心温まる思い出話と、ちょっぴり切なくふんわり甘い、予定調和の見えるお話かと思いきや…両思いになってからの方が辛い現実が待っているなんて思いもしなかったです。世の中、確かに昔よりは生きやすい時代になったかもしれないけど、個人的な体感では「世界的に見ればの話で、日本はまだまだ」だと思っています。そういう意味では、漫画の中でなら優しい世界が描かれる作品も多いけど、こちらの作品の方が現実的な気がしました。特にIT・AIなどの発展した時代だからこその急速な情報拡散や不特定多数から向けられる偏見は、本当に怖いなと思いました。だからこそ見守る立場として色々と反省したりもしました。
レオと獅子、二人のライオンが自分の心と社会と闘う一生懸命な姿に感動しました。特に、ただでさえ多感な時期の二人が背負うものとしては、かなりの重さがあるだろうなと想像できて、その苦しさも一般的な人(異性愛者)の比じゃないだろうなと思いました。お互いが自分より相手を大切に思う二人だから、この先も大丈夫だろうと思えるラストでした。
初作家さんでしたけど、とても良かったです。他作品も試し読みしただけで良い雰囲気が伝わってきたので読んでみるつもりです。
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