このレビューはネタバレを含みます▼
「カドル」のシャイアの幼少期が読みたくて購入。表紙の可愛さ以上にシャイア、ヒューゴ兄弟の成長の物語は深いなと。緻密だなと感動しました。
作者が描き分けているヒューゴ、シャイアのセリフや表情は面白くて、テオと初対面の時にヒューゴは一目惚れしたのかな?と感じる描写や、母ダート、父ジュダの番の触れ合いを興味深々で見ているのはシャイアの方かな?と。そんな2人の性格の違いは、カドル1巻で婚約者に会った時のシャイアになるんだなと感じ、物静かでテオにしか興味のないヒューゴにも、なるほど…と思いました。
あのダートの妊娠出産の様子に、従者の隣で私もポロポロ。カイまでお母さんになって…と。テオの存在やダートの育った環境、カイとその他のΩの違いにファンタジーなんだけど人生と重なったりして深かったです。
αがαに戦いを挑むのが狼の本能だと。それが狼の生態なのかなと思ったら、シャイア達一族のαはたった1人、当主で。それぞれの群れ(家族)の中で父ジュダがシャイア達にとってのα。α双子のシャイアとヒューゴ2人の中でαは?と思うと、生態を超えβのテオを求めるヒューゴがシャイアにとってはαなのかな?と。「カドル」の学園生活で幼少期と変わらずテオといるヒューゴ。そこから離れ自身の群れを作っているシャイアを見るとヒューゴの方が強いのかな?と…。
2巻、獣人の幼児熊にシャイアがクマのぬいぐるみをあげるエピソードがあるのですが、「カドル」でシャイアの友人の1人にも厳つい熊がいて。もしやあの時の?と。あのクマのぬいぐるみをシャイアが譲れたのは、熊ちゃんにとってのαはシャイアになるのかな?と思いました。オメガバースの世界は奥深い✨
2人の毛並みはダートの髪質と似てるのかな?とか。
2人のオムツ姿のしっぽに、シルバニアファミリーを思い出してしまって吹き出したり。
表紙や産まれたての2人のコマに、左がシャイアで右がヒューゴだろうか…など、小さな違いを探すのも楽しかったです。
最後はシャイアの魂の番が誰なのだろうと気になりましたね(ベリルであって欲しい…)めちゃくちゃ面白かったです✨