このレビューはネタバレを含みます▼
めちゃくちゃ良かったし、今回も泣くと分かってましたが、泣きながら読みました。作家さん買いですが、ほんとに電車とかでは読めません。いつ涙腺崩壊ポイントがあるかわかんないから。今作は最初からかなりずっと涙ポロポロでした。狐獣人のコガネは母がコガネを救ったことで命を落とし、父にその恨みを小さなコガネに一身に全て投げつけます。我が子を助けたい一心で助けたであろうその献身。でも、父親は愛する人の献身が理解できず、遺された寂しさを悔しさをコガネにぶつけることで生きていたのでしょうか?到底許せないけど。
今作の作家さんのテーマは『献身』だそうですが、ほんとに冒頭からそのテーマだったとあとで気づかされました。母の献身で救われたからといって、コガネが同じように愛するものに自身の身を犠牲にしててもという、間違った献身(そんなのがあるのかわかんないけど)をしてしまうことに繋がってはないと思うけど、コガネは拾ったクロという小さな命が愛おし過ぎるがゆえに「命をかける」という誤った献身を行うのです。
本当にいろんな『献身』の形をみることができます。クロを探し続けた叔父のロウも身を惜しまずクロを探し続けます。10年目で見つかったからそこで終わりますが、見つからなければ継続して探し続けるでしょう。
儚くなる寸前で無事救出されたコガネとその献身に苦しんだクロ、二人の出した本当の献身……『二人で幸せになる』献身。わかってるようで叶えるには相当に難しい答え。でも今ならそれが出来る。
村人に搾取され続けてるコガネが眼を治し、王立学院にまで入学させるにはあの方法しかなかった。作家さんはもちろんこれが答えだ、正解だということが言いたいのではない。
幸せについて色々考えさせられました。ほんとに2人が共に歩んでいけること良かった〜と嬉しかった。クロもコガネもほんとに可愛くて、しっかり最後の最期までえがいてくださったので、ココロがホワホワ幸せです。
全部読み終えたあと、ふとタイトルをしっかり読み返しました。『黒猫の黄金』『狐の夜』まさに、まさにこのタイトルしかありません!!!またも作家さんの素晴らしさにため息が出ました。