そして長い夜が明けたなら
」のレビュー

そして長い夜が明けたなら

といけ

とても丁寧なお話

ネタバレ
2024年7月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵の好みはあるかもしれないけれど、とても読みやすいですよ。
都会の片隅に居るであろう2人。仕事に忙殺されながら、恋に傷つき、大切なものを得たいと願い事ながら、言葉に出さないことですれ違い、頭を胸を締め付ける。

クローゼットゲイの悩み、多様性と受容、変わるものと変わらないもの、変われないもの。
モノローグが詩的で、引用もあり、急に畏まるような表現になることも折り込み済みなのだろう。

同人誌的に描かれていたものが商業化された作品のよう。ゲイやヘテロでもパートナーとの溝や知らないことに気づく瞬間。
人と人の心の動きや昨今のLGBTQ+の状況を丁寧に描いていると思う。

心が魂が欲しい、肉欲に溺れる前に。教示的な部分もありながら、生きること、仕事に取り組むこと、得たいものに近づく恐さが表現されているように感じた。

いい作品だ。紙も買おう(笑)
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