虎に四目屋【コミックス版】
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虎に四目屋【コミックス版】

水玉ミズ

史上最高の江戸BL

2024年7月5日
長屋暮らしの物売り青年が「性具屋」に盗みに入ったが、あえなく捕まり店の新商品を体で試す契約を結ぶことに。そんな関係から主人の特別なネコになるお話。
お江戸を舞台にしたBLは今までもありましたが、間違いなくこの作品は史上最高の江戸BLです。性具屋を舞台にするという斬新な設定が、四目屋という実際にあった店を使うことでリアリティを生み出し、綺麗な作画とあえての現代風の髪型で今っぽさを出しつつも、褌や腹掛、股引などの衣装で時代感とエロさを追求する、最高の仕上がりになっていると思いました。
そしてキャラもとても素敵。おバカなほど真っ直ぐで見栄を切る気風の良さがある虎と、自分の仕事に矜持を持ち、クールに見えるが愛情深い四目屋。江戸っ子らしい活きの良さと気前の良さがストーリーにきちんと落とし込まれていて、一つ一つの行動に反映されていました。ストーリーは王道ですが、なぜそう思ったのか、そんな行動をしたのかという根本が丁寧に描かれているので、とても読みやすく理解しやすかったです。
でもこの作品の一番の見所はやはり褌姿でしょうか。あんなにいやらしく、かつセクシーに見えたことがあったかと目を疑うほどにエロかったです。そして、性具屋らしい数々のお江戸えちプレイが読者を楽しませてくれました。口吸いや助平な胎などの昔の表現も独特のいやらしさがあってとても良かったです。
水玉先生はこれがデビュー作とのこと。一作目から完成度が高くて本当に驚きました。今後の作品が楽しみです。
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