このレビューはネタバレを含みます▼
会話の中で互いの反応が表情で丁寧に描かれているのがすごく良かったです。2人だけの昼休みの時間がすごく特別でずっと眺めていたかった。
他人との関わりで影響を受けないことのほうが無理だし、人間の美しさが真っ白純粋無垢なものならそんなの赤ん坊くらいだし、誰かを好きになるのはシンプルなものじゃなく目を細めれば気持ち悪いくらいに無数の感情がうごめいて出来上がってるもんだし!!て、そーいう人間生きてたら無傷じゃいられん!でも今はその全てに感謝☆彡…を高校生のキラキラボーイズが等身大で体現してくれてます。
驚きの300P超でじっくり…じーっくり…描いてくれちゃってるけど、だからこその焦れっキュン。友達期間すっ飛ばさないので、こういうのによだれ出ちゃう人には溺死もんだと思う。
結構驚いたのは、1年くらい悶々期間があったってこと。神田さんのことを打ち明けてひとつ峠を越えた2人の関係が進展するかと思いきや、あの『お互い両思いって自覚してる恋人0.5歩手前の何もかもがめちゃくちゃに楽しすぎるやつ』を1年もやってしまってるのにヒエッ?!てなりました。そんで陽の言葉に翔太が被せるように告白するのはふぅ〜ん???翔太ならもうちょっと早くきっぱり自分から言いそうと思っちゃった。解釈違い!とかではないんだけどね。ついでに特典ページで陽と神田さんがヤッてないことにも驚愕!!納得する部分もあるけど、正直話の中ではずっと陽は爛れたことを結構ズルズルとギリギリまでヤッてんだよなあ〜って頭の隅に張り付けながら読んでました。いや、寧ろヤッてて欲しかったかも…なんてスミマセン。
お話の締めに用意されていたのはかつて大好きで、酷く傷つけられた人との再会。陽の中では許すか許さないかの問題ではなく、自分も彼を傷つけたと思っているから余計に複雑な気分だけど、彼側の心の声を読むと時間を経て陽が彼に与えた影響を考えました。こんな間違いはもうしないだろうと思いたい。
物語にコントラストは必然。人と人、感情も環境も何もかもが対照になり得る。それは自分と誰かを比べて優劣をつけるものではなく、人間の陰影を浮かび上がらせるためのもの。2人は互いの影も光も受け止め合う。そんな姿がただただ眩しかったです。