そして、海に日が昇る
」のレビュー

そして、海に日が昇る

かれい煮太郎

海に近い街での元ヤン両片想い

ネタバレ
2024年7月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 鳴海貴一郎が東京の会社を辞めて高校卒業以来10年ぶりに地元の街に帰って来ます。ヤンチャだったキイチが3人でつるんでいた平井晃太は家業の酒屋を継いでおり、トオル先輩は5年前に亡くなっていました。仕事で葬式に行けなかったキイチがトオル先輩の墓前に参っていると、会おうか迷っていた晃太がやって来ます。当時キイチは晃太とトオル先輩が付き合っているんだろうと思いながら、冗談めかして晃太と関係していました。10年ぶりの再会に止まっていた二人の時間が動き始めます。10年越しの両片想いには死んだ先輩がゆらりと影を落とします。面倒見が良くてカッコ良かった先輩もまた晃太に片想いしていたのがちょっと切ないです。大人になった二人が戻らない日々を越えて想いを確かめ合い、自由な未来に向けて歩み始めます。力のある作者さまなので、背景や人物の細かいディテールの描写に力を入れて頂きたいと思いました。
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