新宿69へヴン【単行本版】
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新宿69へヴン【単行本版】

ウノハナ

歌舞伎町の沼に花開く純愛

ネタバレ
2024年7月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 風俗ルポライターの九谷慶太は、潜入したゲイ風俗店でNo. 1ボーイのヒロムを指名します。華奢なイケメンでトークもマッサージも上手いヒロムに天国にイかされた慶太は、見知らぬ男同士でルームシェアする雑誌企画でヒロムと再会します。素の佐久間博六は徹底した塩対応で、でも雑誌の編集者にはニッコニコで嘘くさい好青年ぶりを発揮するのでした。3ヶ月のルームシェア期間には報告書や動画配信など条件も多く、二人は協力せざるを得ません。ヒロムの家事能力の無さやいい加減さに慶太が呆れているところに、もう1組のルームシェアコンビが引っ越して来ます。若さ溢れる大学生の二人が現れたのをきっかけに、ヒロムが学生時代に負った借金を返すために風俗を始めたことがわかります。家では常に素っ気なく、一言言えばシャーシャー返してくるヒロムのことがどうしても気になる慶太は、再び客としてヒロムを指名するのでした。見た目は20歳実は29歳のヒロムの強がりの陰に、ひっそりと慶太を想う心情が痛々しくその表情に胸を慟かれます。ヒロムを思いやるオーナーのヨシさんやヒロムに固執する背中フェチのエリート沢木らもストーリーを支えます。歌舞伎町で芽生えた大人の純愛物語はじっくりと楽しめました。
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