べな
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べな

こふで

ワンコな鬼と美しい双子の片割れ

ネタバレ
2024年8月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 江戸時代、双子ゆえに捨てられた壱は病弱な弟と二人、見世物小屋で支え合って生きてきました。その弟を病で亡くし、壱は化け物の世話を言いつけられます。言葉も喋れず暴れ回るそいつは、よく見ると人の子供なのでした。壱はべなと名付けて逃がそうとしますが、べなは壱のこともひっさらって駆け出します。二人は髪結の定吉と寺子屋を営むお奈緒の夫婦に助けられ、新しく長屋での生活を始めるのでした。見世物小屋の男たちの慰み者になっていた壱は、弟の死んだ場所から離れることに罪悪感を覚えます。宙ぶらりんな気持ちの壱のことを一途に想うべなは、苦しい感情が爆発すると角と爪がみるみる伸びてくる鬼なのでした。1巻で成長したべなと壱とが結ばれ、2巻で二人は駿府に旅立ち、べなの仲間を探します。3・4巻では二人は町医者とその弟子を助けたことから再び両国の見世物小屋へと運命が繋がり、壱は弟の死を乗り越え、べなも劣等感を捨てて鬼である自分を受け入れます。個性溢れるキャラ達が江戸の町で生き生きと活躍し恋をします。時代考証もしっかりとされていて、背景から着物や小物などの細部に至るまで丁寧に描かれていてとても読み応えがありました。
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