秘め婿【単行本版】
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秘め婿【単行本版】

芹澤知

神の妻となった幼馴染を取り戻す

ネタバレ
2024年8月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 邪馬台国の卑弥呼が男性だったという古代ファンタジー。白い肌に赤い瞳を持つシキは、風や雲から天気を読むのを得意としています。目立つ容姿で虐められてしまうシキをいつも守っているのがムラ長の息子ヤマトです。まだ幼いヤマトはシキのことが大好きで結婚したいと思っていたのですが、シキは巫女様(卑弥呼)のお目にとまって贄となってしまうのでした。10年後、シキを失ってからはぐれ者として生きていたヤマトは、川で水浴びする赤い瞳の青年を偶然見かけます。一目でシキを見分けたヤマトは、シキが今の卑弥呼であることを知るのでした。クニを1人で背負わねばならない卑弥呼としてのシキの使命感と孤独を、シキを愛するヤマトが支えます。歴史的背景から衣装や風俗その他とてもよく考えられており、画力の高さも相まって、よくこれだけのストーリーがこの尺に収まったなと感心しました。諸般の事情で出版社が変わるようですが、作品の価値には変わりないので、安心して楽しんで下さい。
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