このレビューはネタバレを含みます▼
「ただいま、おかえり」シリーズ第4弾、松尾と祐樹の関係に進展が訪れるお話です。
ホームドラマのように温かく幸せな日常が描かれているただおかも今回ばかりはいつもと違います。サブキャラの松尾と祐樹の関係性が気になり始めた3作目からグッと距離が縮まり、ついに松尾は告白へ。お互いに特別だと思っているのは読んでいて分かるのに、しっくりくる関係性の名前にこだわりなかなか上手くいかないのにヤキモキしますが、この展開が新鮮でした。今回の藤吉家はそんな二人のサポート役でしたが、そのおせっかいが心温まる優しさに満ちていて、ただおからしさは十分楽しめます。
祐樹は人付き合いが苦手というだけあって、人との距離感や関係を一つ一つ真面目に考えています。だからこそ、懐に入れるまで時間がかかったり、自分の気持ちのペースを大事にしています。そんな祐樹が松尾とはすぐに打ち解けられたのも、αらしくない松尾の気遣いと優しさのおかげなのではないでしょうか。読んでいてずっと感じていた松尾の優しさが、知らないうちに祐樹の中で特別な存在として根付いていた結果だと思います。今はまだ恋人としての甘さより一緒にいる安心感が上回っている祐樹が、今後どのように変化していくのか楽しみです。そしてその祐樹に振り回される松尾の一喜一憂を存分に楽しみたいと思います。
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