アオアシ
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アオアシ

小林有吾

人を育てるということ

ネタバレ
2024年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最終巻が出るのを目前に一気読み。めちゃくちゃ面白いです!

華麗なプレイやワクワクするような意表を突いた戦略ももちろん面白いのですが、何より見どころは出自の違う一人一人のプレイヤーを描き出しながら、選手の育成について深く考えさせるところです。

幼少からのサッカーエリートであるユース、遅咲きのスカウト組やセレクション組、高校サッカー組、それぞれに過去があり、苦悩があり、壁があります。そして、どんなに才能溢れる選手も、人としては未熟で傷つきやすく、簡単に歪められてしまう脆弱さを抱えています。

一人一人がその壁をそれぞれ乗り越えていく様には感動しますが、それと同時に、大人には未成年である彼らを守る責任があるのだというメッセージがひしひしと伝わってきます。

彼らを導く監督者たちも、また未熟であることを痛感しながら共に成長してゆく。その意味では、大人には二重に刺さる物語です。

選手一人一人を理解するにつれみんな愛しくなっていきます。葦人はもちろん、阿久津くんや平くんの物語にも涙しましたが、個人的には人としての器の大きい大友くんがとっても好きです。

さあ、40巻!先生、素晴らしい物語を完結させてくれてありがとうございます!楽しみに待っています!
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