リセイある王様Ωと赤春を。
」のレビュー

リセイある王様Ωと赤春を。

キカ糸

素晴らしかった✨

ネタバレ
2024年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ めちゃくちゃ良かったです。理性がカタカナな所や赤春という造語に、物語そのものだなぁと。タイトルからジーンとしました。(15日までセール中)

上手く言葉になりませんが、優生学をベースにした擬人化DKオメガバースの物語は、作者の絵だから読めたし、作者らしい可愛い九十九というキャラだから明るくて、皮肉を感じたスパイスも素晴らしいなと。

優生学だとハッとしたのが、九十九とシマの子を、これは…と言って、ゴミにする所でした。雑種だからと。他の赤ちゃん達は、名家α(ライオネス科)とΩの子で。それは現実社会もそうだなと。上になればなるほど。結婚もそうだし。また、誰しもが持っている価値観なのかもしれず。作者はオメガバを使って、その社会のタブーを皮肉も込めて言っている様で、本当に凄いなと。爽快でした。

βシマ トリ科とライオネス科 Ωとの子は雑種だからとゴミになり、それを回収しに来たトラックからの泣き声に、九十九が気付いて必死になって取り返す姿が高校生なんだけど母性まで感じて。(あぁ、九十九、母親になってと、涙。)

そんな九十九を助け守ろうと、シマの背中の鳥の名残りの小さな羽が、大きな羽になる所で、大泣き😩 愛ってこっちでしよ?と、感じて。

αとΩの初発情期を利用したクラス編成。出産産後までもケアする保健室。αの為のαの子孫繁栄を目的とした学校。そこになぜβのトリ科が新設編成されたのかもまた、αの為という世界観。

プラチナブロンドのライオネス一家に生まれた真っ黒なライオネス 九十九。αだったのに、黒い毛だからという理由だけで、本人には知らされず去勢されΩにされた。その残酷さが、彼の初潮の描写と対比されているなと感動で。生理中の性行為もそう。それを汚いと目を背けたくなってしまったのですが、プラチナブロンドだけを求めた九十九の家族と同じ事だと、作者は言っているのかな?と感じたり。

生理痛で苦しんでいる九十九を労わるシマには愛を感じ。浮気はしないと、シマの所に戻って行く九十九にはDKらしさを感じて可愛かったです。

トロフィー的な人生に価値はある?と言っている様な、雑種cp+ライオネスの子…シマ、九十九が築いた家族。2人の子育てする姿は可愛かったです。

キヨメが九十九を探し回る姿は、良かったですね。BLらしくて尊かったです。
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