紅椿
」のレビュー

紅椿

三田六十

そうなるのか

2024年8月11日
茶色い髪と瞳のせいで村八分の佐吉。
山で捨てられていた鬼の赤子を拾います。
鬼の赤子にアカと名前をつけて育てますが、言葉は通じず、容姿も性質も人とは全く違って成長していきます。
里から離れた所に住んではいるけれど、このまま隠れて人にも鬼にもなれず育つのが幸せなのかと悩み、アカを山に返してしまいます。
返してしまうけれど会いたくて探しにいくのですが、10歳の鬼の子を山に捨てるのはどんな理屈を並べても無責任じゃない?と疑問。
再会してから夢中になって抱いてしまうのも、なんだか納得しがたい。
そしてラスト、老衰手前で山奥の廃屋まで連れて行ってもらい、どんなラストが待ってるんだろ?と期待したけど、かなりの拍子抜けでした。
あれだけ言葉が通じず、意思疎通も難しい感じだったのにですよ、そんなあっさりご都合主義感否めない。
後書きを読んで、それならば鬼のアカが鬼の感覚で佐吉を理解しようとしている描写が物足りないなと思いました。見つめあってるだけでは、、ねぇ、そこまでの深みのある複雑な感情は読み取れませんでした。
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