ロンリープレイグラウンド
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ロンリープレイグラウンド

ダヨオ

愛情の与え方の違い

2024年8月11日
7年不倫した相手に捨てられて傷心のリーマンが、ゲイナンパスポットで出会った男に本当の愛を教えてもらうお話。
愛情とは何かを考えさせられるこの作品、雨津木はお金をかけて愛を与え、慧介は心という愛を与える。愛を知らなかった雪文にとって、7年前の雨津木の行動はちゃんと愛情だったとは思うし、雨津木がいたから成長出来た部分はあると思います。ただ、雪文が求めていた愛を雨津木はちゃんと与えられていなかったからこそ、綻び破綻したのだと感じました。そんな時に慧介と出会い、自分を大切にすることや心に寄り添うこと、体を求めるのは好きだからという愛を一つ一つ教えられて、初めて愛を実感していく雪文。荒んだ野良猫が求めていたものは、裕福な生活ではなく包容力のある愛情だったんだなと思いました。最後、雨津木と決裂した時の雪文には本当にスカッとしました。雪文があんな風に言えたのも、慧介の実直な愛情がきちんと伝わっていたからだと思います。
下巻の後半にはスピンオフの「悪人の躾け方」の前日譚ともなる「悪人の縛り方」が入っています。こちらも必見です。
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