ユア・マイ・サン
」のレビュー

ユア・マイ・サン

茜田千

なんともいえない

ネタバレ
2024年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ なんだろう、どこがとか、なんでなのかとかうまく説明はできないのだけれど、読んでいる間ずっと感じていた違和感。なんかしっくりこなくて。何にしっくりこないのだ?
たぶんまず最初に、10年以上の時を経ても陽介が全然年取ったように見えないことに、どうしようもなく違和感を感じて、大した問題じゃないんだけど、妙にひっかかってしまい。。あとハムスターの目が笑ってるみたいにかかれてるのもひっかかり。これがコメディーとかなんかのパロディーとかギャグとかなら気にならないのだけれど、至極シリアスな展開の作品でかかれているハムスターだから気になってしまった。自分の意思などというものはないものとされて人間の勝手で飼われてるようなペットがあんな風に笑うわけないでしょうとか思ってしまい。。作者様は笑ってる風に書いているつもりはないのかもしれないけれど、私にはそう見えてしまったのだ。また、よかれと思ってなんだろうけど、陽介の職場の人間がやたらと口だししてきたり。女性が知らない男性をほいほい家にあげすぎじゃないかと思ったり、まあ家にあげなきゃお話が進まなかったわけだから仕方ないのかもしれないけれど。
あと、親のしつけが厳しかったということを語るときに、「両親が教師で厳しかった」という言い方をするのだけれど、厳しいのと教師であることは関係ないよ。こういう変なイメージの押し付けやめてほしいです。なぜただ両親が厳しかったと言えないのだろう?なぜわざわざ職業設定持ち出す必要があるのだろう?
これらのことは、ほんとささいなことで、気にしなければ気にならない。でも降り積もると壮大な違和感になる。

暗く辛い境遇にある人々をやさしくあたたかな雰囲気で描こうとしているようで、絵柄はほんとすてきなやさしさのある絵柄なのに、なんだろう、絵がすてきだからこそ余計に、そのやさしさとはまるで真逆の恩着せがましさとか、思い込み、不自然さみいなものを私は感じてしまって残念な気持ちになった。でも全体的なストーリー構成としては過去と現在が絡み合い、登場人物たちそれぞれの視点で描かれたり、次第に明らかになる真実など、工夫されてはいた。絵は雰囲気のある素敵な絵だった。
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