このレビューはネタバレを含みます▼
攻めは白崎さん、受けは黒川さん、覚えやすいですね、白黒。作者様のことを知ってからずっと、作者様のこの性癖への熱量にウケてたので、一冊にまとまって発売されてからすぐ買いました。
身体を許す行為というのは本来、弱点を晒すこととイコールなので、隙を見せてもいいと思える相手を選んで行うのが人間界では一般的です。卵が先か鶏が先かみたいな話で、隙を見せてもいいなら理性も緩めていいだろうと行為に至るのか、ふと理性が緩む瞬間が繋がってそのまま身体の関係に至るのか、その過程は人それぞれだと思うんですが、黒川さんの場合はそれがちぐはぐです。黒川さんは、弱点を晒している間も、行為に至っている間も、理性を失うことがないから、相手が「体を許すと懐を開いてくれる」理由が分かっていない。ところで自分の性癖は理性と本能のせめぎ合いなんですが、黒川さんは自分が理性的であることすら自覚していない。傍から見たら理性が本能に押し倒されてるねニコ…なんですけど、本人は何が起こっているのか分かっていない!そもそもこの発想が出てくるのがすごいです。そんな…行為に慣れていて、言葉遣いや人とのやり取りを見ても大人びていて、賢くて、理知的なものの考え方ができる人なのに…自分の恋愛感性に対して幼すぎるというギャップ。あの、例え悪いんですけど、幼子にエッなこと教え込むアダルト作品的な、そういう背徳感があるな〜と見ていて思います。
続きがあるそうなので、自覚し始めてからの黒川さんも是非追わせていただきたいです。そしたら理性と本能のシーソーゲーム見られるかな〜