神獣は落ちこぼれ少年の守り人【イラスト付き】【単行本書き下ろしSS付き】
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神獣は落ちこぼれ少年の守り人【イラスト付き】【単行本書き下ろしSS付き】

入野沙織/逆月酒乱

魔術師と妖魔が協力して魔法を生む世界

ネタバレ
2024年8月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 北欧神話のエッセンスを取り入れた魔法ファンタジー。背景はハ◯ポタを、妖魔はポケ◯ンのタイプを想定すると読みやすいです。魔術師になるための全寮制の学校で一年の見習い期間を経た16歳の新入生達が、生涯のバディとなる妖魔を召喚します。優等生のエルム•バルトは格の高いドラゴンを召喚して皆の賞賛を浴びます。次に真面目なのに魔術がなかなか成功しない弟のセシル•バルトが狼の姿をしたビーストを召還します。なんとか召喚はできたものの、狼はそっぽを向いて主従の契約には至らず皆の失笑を買うのでした。有名な魔術師である父と優秀な同い年の兄を持つセシルは、家でも学校でも一人ぼっちです。呼び出した妖魔も、ドラゴン•フェアリー•ファントム•イービルなどのタイプの中で最弱ランクのビーストで、ただでさえ魔術の才能の無いセシルはますます皆にバカにされるのでした。ところがセシルの召喚した狼は意思疎通が出来ない筈なのに人語を話し、ドラゴンにしか出来ない筈の人化もします。レヴィンと名乗る美しく野生的な青年は全てにおいて上から目線で、暇つぶしに付き合ってやるとセシルと行動を共にするようになるのでした。セシルの秘密、レヴィンの秘密、エルムの秘密、学校生活の中で起こる様々な事件と共にそれぞれの秘密が明らかになってゆきます。エルムのドラゴン•ライナルトは水色の髪に高貴な雰囲気を漂わせた青年に人化し、銀髪でワイルドなレヴィンと好対照をなすのですが、主人への執着っぷりが互角なのが面白かったです。
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